Sonyα7iiiのホワイトバランス設定、色温度について

ホワイトバランス

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どうも、動画人ターナー(@tana51)です。

Sonya7iiiのホワイトバランス設定、あなたは使っていますか?

ボクがこれまでストアカ等でレクチャーした受講生の方の多くは、AWB(Auto White Balance:オートホワイトバランス)を使っていました。

かくいうボクも、カメラを買った1年目(Sonya6500を使ってた頃)は、ずっとAWBを使っていて、「マニュアル設定はむずかしいし、オートで綺麗に撮れるならオートでいいじゃん?」という考えでした。

その後、結婚式のエンドロールムービーの撮影の仕事をしていく中で、ベテランカメラマンに「オートじゃダメだよ。」「色温度が変だからちゃんとマニュアルで撮影して!」とボロクソに言われながら(笑)マニュアルを使い始めました。

いまなら色温度が変だとはっきりわかりますが、当時はホワイトバランスがおかしいとは思っていなかったのが不思議ですね。おそらく多くの良い映像を見ていく中で目が肥えていくのだと思います。

これからミラーレスカメラで動画撮影していくあなたは、ぜひ多くの良い映像を見ていくと同時に、ご自身の撮影した動画となにが違うのか?を意識しながら比較してみてください。

今回の話題の色温度に対する目が肥えていくと思います。

それでは本題に入りましょう。

ホワイトバランスとは

ホワイトバランスとは

ウィキペディアによると

ホワイトバランス(英: White Balance, Color Balance)とは、カメラにおいて、さまざまな色あいの光源のもとで、望んだ色調の写真を得るための補正のことである。バランスについて純白の被写体をどう写すか、という点に代表させてホワイトバランスと言う。一般に赤みがかったり青みがかったりといった光源が多いため、赤-シアンを主軸とする「色温度」の調整が主となるが、他色の方向での調整も含む。

by ウィキペディア

と記載されています。

ホワイトバランス… 直訳すると”白色の調和”。

要はカメラが判断する白色を、正しい白色として調整するための機能です。

人間の目というのは、どのような環境であっても、白の物体は白色と認識することができます。
しかし、カメラで撮影する場合は、周囲の光や色温度に影響を受けてしまい、本来であれば白色のものが、青みがかったり、赤みがかったりして記録されることがあります。

それを調整するための機能が、ホワイトバランスです。

カメラのホワイトバランス設定を開くと、いくつかプリセットがあります。

  • 白熱電球
  • 白色蛍光灯
  • 太陽光
  • くもり
  • 日陰

これらは便利なプリセットで、天候や撮影環境によって、簡単にホワイトバランスを調整してくれて便利なのですが、できれば、適切なホワイトバランスに調整するために、マニュラルで設定できるK(ケルビン)を使っていきましょう。

ではさっそくケルビン(K)について解説していきたいと思うのですが、その前に、ホワイトバランスと密接に関わっている、色温度について解説していきたいと思います。

色温度とは

ウィキペディアによると、

色温度(いろおんど、しきおんど、英語:color temperature)とは、ある光源が発している光の色を定量的な数値で表現する尺度(単位)である。単位には熱力学的温度の K(ケルビン) を用いる。

by ウィキペディア

と書かれています。

要は、光の色の尺度をケルビンという数値で表すということです。

先ほどあげたプリセットを例にケルビン値を見てみましょう。

  • 白熱電球  3200K
  • 白色蛍光灯 4000K
  • 太陽光 5200K
  • くもり 6000K
  • 日陰 7000K
色温度
色温度

ホワイトバランス設定のケルビン値(K)を変更することによって、青みがかったり、赤みがかったりします。お手元にカメラがある場合は、ぜひ試してみてください。

ケルビンの数値を下げることによって、青みが増していきます。逆にケルビンの数値を上げることによって、赤みが増していきます。

最近のミラーレスカメラのAWB(オートホワイトバランス)はとても優秀で、ほとんどの場合は、そのままでいい感じの色温度にしてくれますが、撮影環境によっては、カメラが判断ミスをして、色味がおかしくなってしまう場合があります。

例えば、

  • レストランで料理を撮影するとき、オートで撮影したら青っぽく撮れてしまって、なんだか美味しくなさそうに見える。
  • 雪景色をカメラに残しておこうと思って撮影したら、雪の色が白ではなくてちょっとおかしい
  • 結婚式で新郎新婦をとってあげたら、幸せなはずの新婦の顔色がすごい悪く見える
  • 自撮り撮影した自分の顔色が変だ!(ん?それは運動不足のせいかもよ。笑)

などなど、オート撮影だとミスしてしまう場合があります。

これらは、ケルビン(K)でマニュアルで設定すればミスを防ぐことができます。

写真のRAW撮影のように、ホワイトバランスを編集で調整してもいい?

「ホワイトバランスはケルビン(K)を使いましょう」という話をすると、写真をしている人からは「後で編集で戻せばいいんじゃないですか?」と、よく言われます。

写真の場合はRAW(生のデータ)で撮影しておけば、編集で色温度を綺麗に調整できるのですが、動画の場合は、ホワイトバランスが大きくズレて撮影した素材は、編集で綺麗には戻せなくなってしまいます。(ある程度までは調整できますが。)

ボクが結婚式の撮影の仕事をしたばかりの時期に、ベテランカメラマンによく言われたのが、このホワイトバランスの調整についてです。

撮影&編集を担当していたベテランカメラマンに撮影素材を渡すと、

「田中さん、ホント勘弁してー、ホワイトバランス合ってないと戻せないから!怒」「ちゃんとケルビンで合わせて撮影して!」

とよく言われました。ちなみにボクは未経験からビデオグラファーとして独立したので、知識もスキルもなかったため、当時はケルビンという言葉を知りませんでした。

「わかりました!」と言いながら、あとでグーグル検索して、ケルビンという存在を知ったのは、当日のベテランカメラマンには内緒です。笑

そこから、ケルビンを使い始めて、いまは特に室内撮影での案件は、必ずケルビン値をマニュラルで設定して撮影するようにしています。

さて、話を戻しますと、動画の場合、後で色温度を戻すという行為は、JPEGで撮った写真の色温度をむりやり調整するようなものです。

ホワイトバランスがうまく調整できていなくて、青みすぎたり赤みすぎたりする素材は、編集で戻すには限界があります。

ですので、動画撮影時のホワイトバランスは、撮影時に極力バッチリ撮るようにしておきましょう。

色温度の調整をしても色味が変なときは?

ケルビン(K)で色温度を調整して撮影する際、それでも色味が少し変なときがあります。

色温度とは、赤とシアンを主軸としてしているため、紫色や緑色の調整は苦手です。

そういったときは、カラーフィルターで調整してあげる必要があります。

(編集ソフトでいうところの、色かぶり補正という部分です。)

ソニーのαシリーズのカメラだと、メニュー画面から

MENU→ホワイトバランス→色温度・カラーフィルター(Kというアイコンがある部分)

までいくと、右ボタンを押すと、上下のカーソルで色温度のケルビン値の調整ができるのですが、さらに右ボタンを押すと、カラーフィルターを調整できるようになります。

ここでは、赤とシアンだけでなく、紫色や緑色の調整もすることができます。

使い方としては、色温度を調整しても、まだ色味が変だなぁと思うとき、例えば

  • 色温度は合ってそうなんだけど、なんだか緑っぽい→カラーフィルターの丸いマークを緑色とは逆側(右下方向)に移動させる
  • 色温度は合ってるはずなんだけど、なんだか紫色が強い → 紫色とは逆側(左上方向)へ丸いマークを移動させる

ケルビンの数値を調整してもまだ色味が変な場合は、ぜひこの方法で試してみてください。

白色で自動調整

カメラの機種によっては、ホワイトバランスを自動で簡単に調整してくれる機能がついています。

ソニーα7iiiは、ホワイトバランスの一番下にある「カスタムセット」から選択できます。

この機能はカメラの画角に白色のものが入っていたら、その白色を基準にしてカメラがホワイトバランスを自動調整してくれる非常に便利な機能です。(オートとは違って、白色のものを基準に調整するので、精度は良さそうです。)

使い方は、

カスタムセット→「○ボタンで画面中央付近のデータを取り込みます」という文言がでるので、画面にうつる○の場所に、白色の壁や白色のTシャツ、白色のA4用紙などを用意します。

そして○の場所が白色のものに合わさっている状態で、真ん中ボタンを押します。

すると、「ガシャッ」という音が鳴って、登録先を選択する画面になります。

カスタム1から3まで、その自動調整して色温度とカラーフィルターの数値が、選択したカスタムに保存されるという流れです。

後で、その色温度・カラーフィルターを使いたい場合は、カスタムで設定した番号を1選択すれば、自動調整で設定した色味を呼び出すことができます。

どうしてもケルビンでうまく色温度が合わない場合は、カスタムセットもぜひ使ってみてください。

バッチリうまく調整される場合と、うまくいかない場合もあるので、うまくいかなかった場合は、ケルビンとカラーフィルターで調整してみてください。

ちなみに、ケルビンの数値の感覚をつかむ練習としてもこのカスタムセットは使えます。

例えば、自分でケルビンで調整して、「そうだなぁ、このシチュエーションだったら5200Kかなぁ」と判断したあとに、白色が画面に入っている状態で、カスタムセットを使ってみて下さい。

カスタムセットで自動調整されたケルビン値が、自分が予測したケルビン値と差がない場合は、自分の判断が合っている、という確認としても使えます。

マニュアルでの調整に慣れるまでは、この練習法もよかったら活用してみてください。

さいごに

いかがでしたか?

屋外の撮影とかだと、AWBでほとんどの場合うまく撮れるのであまり気にしなくていいですが、屋内でミックス光(白熱電球と白色蛍光灯などがまざっている状態)の場所や、レストランなどで暖色系のライトが強い場合などは、オートだとカメラが判断ミスをすることがあります。

そういった場合は、ぜひ今回の方法でベストなホワイトバランスに調整してみてください。

(2021.10月追記)

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ターナー動画人
デジクリ運営オーナー。無拠点で全国で活動するビデオグラファー&映像講師。 動画スキルを学びたい人向けに、撮影や編集に役立つ情報を発信中。 個人向け講座から企業向けコンサルまで幅広く活動していますので、お気軽にお問い合わせ下さい。